00 — 表の役割

損益計算書と資金繰り表、それぞれの役割

なぜこの2つの表を作ったのか、それぞれの役割を共有する。

損益計算書
(月次損益計画)

役割

「儲かっているか」を測る道具

何がわかるか

事業ごとの稼ぎ頭・赤字が分かる

なぜ作ったか

数字で「稼ぐ力」を判断するため

資金繰り表

役割

「口座にいくら残るか」を測る道具

何がわかるか

資金ショートの時期を事前に察知

なぜ作ったか

利益があっても資金が尽きる「黒字倒産」を防ぐため

損益計算書だけでは「儲かっているのに口座にお金がない」理由が説明できない(発生主義と現金主義のズレ)。資金繰り表だけでは、なぜ儲かっているかという事業構造が見えない。損益計算書は「稼ぐ力」、資金繰り表は「生き残る力」を映す鏡。両方揃って経営判断ができる。
01-02 — 完成報告・見方

実績部分が完成しました

実績データを土台にした自動集計の仕組みが完成した。

実績シート入出金明細から自動集計
予測データシート今後の見込みを蓄積
実績+予測ブレンド型シート基準日で自動的に切替
数式の機械監査参照ズレ・エラー 0件

見方: 「基準日」を境に自動で切り替わる

表の各月は、前月末(基準日)より前なら「実績」、それ以降なら「計画(予測)」として自動表示される。月が進むごとに、表の左側が自動的に実績で埋まっていく。

実績(記帳済み)
計画(予測データ)
2026年1月基準日(前月末)2027年3月
03 — キャッシュフロー分析の基礎

資金繰り表の読み方

資金繰り表の読み方、3つのチェックポイント。

  • 資金ショートしないか「翌月繰越金」がマイナス = 資金ショート
  • 経常収支はプラスかマイナスなら、本業がうまくいっていないサイン
  • 経常収支 > 借入返済額か返済が経常収支の範囲内なら健全

資金ショートしそうな時の主な対処法

設備を売る
銀行から借りる
オーナーが資金を入れる
経常収支を改善する
返済を圧縮する

CF分析の4パターン

営業投資財務意味
健全・理想型+本業でしっかり稼ぎ、投資もして、借入も返せている
積極成長型++本業の稼ぎに加えて借入もして、投資を加速している(急成長・M&A)
注意・警戒++本業の落ち込みを設備売却や借入でカバーしている
ベンチャー型+本業でまだ稼げておらず、借入で投資・生活を支えている
TKPの現状±0±本業(経常収支)は黒字・赤字の月が混在。設備投資はゼロ。財務収支は借入ではなくオーナー個人の資金の出入り(事業主貸借)のみで動いている

TKPはどれにも完全には当てはまらない。外部からの借入に頼っていない点はポジティブだが、裏を返すと頼れる先がオーナー自身の資金しかない、という構造でもある。

資金繰りの本質(覚えておきたい4つの原則)

本業で稼ぐのが、すべての原点営業CF +

マイナスなら「穴の空いたバケツ」状態。

投資はプラスに、売却はサインに注意投資CF −

種まきの投資でマイナスは健全。資産売却は枯渇のサイン。

投資目的の借入は恐れない財務CF +

借金=悪ではない。攻めの借入は健全。

最終ゴールは「稼ぐ力」を強くすること

借入に頼らず、自力で稼ぐ力を高めるのが本質。

本業で稼ぐ営業CF +
設備・事業へ投資する投資CF −
借入金を返済する財務CF −
この型を頭に置くと、資金繰り表を見た瞬間に「いま自社がどの状態か、次に何をすべきか」が判断できる。
04-05 — 予測表「器」の完成

実績と予測をつなぐ仕組み

3層構成で、実績が積み上がるほど自動的に「実績化」していく表を作った。

実績シート

記帳済みデータが唯一の正

予測データシート

今後の見込みを蓄積

実績+予測ブレンド型シート

基準日で自動的に切り替えて表示

これまで

資金が足りるかは、月末にならないと分からなかった

これから

数ヶ月先の資金ショート時期が見通せる

06 / 08 — この後の進行

ここからは実際のシートを見ながら

ここから先の2つは、この資料ではなく実際のスプレッドシート上で一緒に進める。

ヒアリングシートの回答を見ながら、売上系(人材委託・人材紹介・賃貸仲介・制作)の予測データを一緒に入力する。
入力後、実績+予測の資金繰り表を実際のシート上で確認する。
07/09 — 損益構造・分析結果

2026年1〜8月 資金繰り・損益の分析

実績データから読み取れる資金繰りの推移と、事業別の収益構造をまとめた。

資金繰りの推移

1月 起点
経常収支は黒字だったが、オーナーへの資金供給26万円で残高を消費
経常収支は+3.4万円の黒字。だが資金供給26万円を引いた結果、月末残高は-22.6万円に。資金不足はここから始まっている。
2月-5月 苦しい4か月
売上35万円に対し外注費だけで40万円、経常収支-26万円
経常収入約35万円に対し支出約61万円。外注費だけで約40万円(売上比114%)。単月最大は4月の約23万円
6月 花開いた月
経常収入45万円、人材委託・人材紹介の入金が開始
2026年最大の月次収入(約45万円)。人材委託(13.6万円)・人材紹介(27.2万円)の入金が開始。
7月 安定+投資
人材委託の入金が継続、人材紹介で新たな外注コストが発生
経常収入約25万円・支出約20万円。人材委託は継続も6月比微減、稼働管理が論点。人材紹介の外注(7.8万円)は投資として継続可。
8月(進行中) 要注視
交通費が約8万円で出費確定(うち新幹線代と見られるものが約7万円)
売上見込みとあわせて確認しておきたい月。

損益の全体像(2026年1〜6月・6か月累計)

総売上
104.9万円
経常利益
15.1万円
経常利益率
14.4%

事業別の売上構成比

賃貸仲介
47.4%
人材紹介
25.9%
人材委託
24.5%
制作
2.1%

事業別の営業利益寄与度

全社営業利益(14.95万円)への各事業のプラス・マイナス寄与

賃貸仲介
+120%
人材委託
+79%
人材紹介
+77%
その他
-17%
制作
-160%

事業別の外注比率・売上高営業利益率

直近6か月(2026年1〜6月)実績の概算値。件数・単価ベースの精緻化は目標設定フェーズで行う。

事業外注比率売上高営業利益率
人材委託15.6%45.8%
人材紹介21.1%42.4%
賃貸仲介40.7%36.2%
制作720.2% 売上の7.2倍-1061.9%

プロの視点でさらに読み解くと

012-5月の資金不足は、実は1月のオーナー資金供給が起点 事実

1月の経常収支は+3.4万円の黒字。だが資金供給26万円を差し引き、月末残高は一気にマイナスへ転じた。

02月初残高0円は集計上の起点であり、実際の口座残高ではない 要確認

1月1日残高は便宜上の起点。事業と個人が混在する口座のため、正確な切り出しは今後の課題。

03人件費・社会保険料ゼロという構造 事実

6か月間すべて0円。今の利益率14.4%は「人を雇わない構造」の数字で、法人化後は前提が変わる。

04制作事業は外注費が売上の7.2倍 事実

先行投資として続けるか、撤退基準を設けるかの整理が必要な水準。

05賃貸仲介の月次ムラ 要確認

月によって0〜14.4万円と大きく振れる。季節性か別要因かは件数・単価・ADの確認が必要。

今後に生かせるポイント

  • 外注の支払いを、売掛金の入金サイトに合わせると資金繰りが安定しやすい
  • 外注比率の予算を決めておくと、安定した営業利益率を確保できる
  • 突発的な出費に備えて、予備資金を積み立てておくとよい
10 — 次のステップ

目標設定フェーズへ

数値の見える化が完成したので、次は事業ごとの「モデルケース」を具体的な数値で設計するフェーズに進む。

モデル単価事業ごとの想定単価
想定件数月間の目標件数
利益率目標事業ごとの目標水準
AD等(不動産)仲介手数料
外注比率予算事業ごとの上限目安
差異管理目標との差異を追う